式部展の見どころ(1)
9月1日から始まった秋季石山寺と紫式部展。
今季は重要文化財5点を含む全41点を公開し、
多くの見どころがあります。
そんな展示を、このブログで全7回にわたってご紹介いたします。
まず最初は、「紫式部聖像」(室町時代)をご紹介します。
縦192cm、横140cmという大きさで、
おそらく現存最古で最大の紫式部の肖像画です。
式部さんは、料紙が広げられた文机に向かい、
筆を持ち、物語の構想を練っているかのような姿に
描かれています。
平成7年に発見された際のX線撮影により、
画面の上方は48行にわたる賛が、
画面の左から下方にかけてはL字型に『源氏物語』の
6場面が描かれていることがわかりました。
実は、この聖像は謎だらけです。
誰が何のために、こんなに大きな式部図を制作したのか。
いつから石山寺にあるのか。
54帖もある物語のなかから、
なぜこの6場面が選ばれ描かれたのか。
なぜ式部さんは僧侶の衣のようなものをつけ、
文机の前に壺が置かれているのか…。
大きな手掛かりとなるはずの賛は、
長い年月を経て、
消えたりかすれたりして読めなくなっている文字も多く、
非常に難解な内容です。
そして、賛の最後に記される「戊申白露」とは一体いつなのか。
石山寺では聖像の謎を解き明かすべく、
昨年再度X線撮影を行い、
そのフィルムから賛の解読と、
背景の源氏絵のトレースを行いました。
2011年秋にも聖像を展示しましたが、
今回はその時よりも少しだけ賛の解読が進みました。
そしてトレースすることで、
式部さんの前に置かれた壺について、
大変おもしろいことがわかったのです。
それは、現代の私たちになじみの深い表現方法。
室町時代にすでにこのような方法が用いられていたことに
驚かされます。
謎が多い式部像ですが、
長文の賛や、背景の源氏絵、
そしてひときわ大きく描かれた式部さんの姿から、
この絵には制作者の特別な思いが込められていることがわかります。
だからこそ、「紫式部聖像」はお寺にとって
最も大切な式部像の一つとなっているのです。
頻繁には公開していませんので、
この機会にぜひ、ご覧いただけましたら幸いです。
なお、この聖像は、「源氏物語と女性たち」という
コーナーに展示しています。
背景の6場面について、X線写真のトレースと、
「源氏絵物語図色紙」(江戸時代)や
土佐光祐筆「源氏物語絵巻 薄雲」(江戸時代)
などの同様の図様で描かれた源氏絵を並べていますので、
比較してご覧ください。
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開催中
秋季「石山寺と紫式部」展(豊浄殿、11月30日まで)
↑クリックすると詳細がご覧いただけます。
「54歩で読む『源氏物語』」展
(淳浄館、2016年11月30日まで。入場無料。)
詳細はこちら↓
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唐橋を制する者は天下を制す!
第2回「勢多唐橋東西大綱引合戦」
2014年10月19日(日)、
日本のど真ん中の瀬田の唐橋で、
東西に分かれての大綱引き合戦が行われます。
瀬田の唐橋は壬申の乱をはじめ、
さまざまな対決が行われた場所です。
また、俵藤太(藤原秀郷)の百足退治の伝説も有名です。
当日は、綱引き会場周辺で様々なイベントが企画されています。
石山寺でも、大綱引合戦開催を記念して、
秋季「石山寺と紫式部」展で、
瀬田(勢多)の唐橋に関する史料を展示しています。
石山寺と瀬田の唐橋で、秋の一日をお楽しみください。
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現在、綱武士募集中!ぜひご参加ください。
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もっと石山寺を知りたい方は、
ボランティアガイドと巡る石山寺ツアー
をご利用ください。
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