石山寺ブログ

2019年6月10日石山寺ブログ

「源氏物語―古典のきらめき―」を開催しました

6月9日、メトロポリタン美術館での
“The Tale of Genji – A Japanese Classic Illuminated – ” 開催記念
「源氏物語―古典のきらめき―」が行われました。

志納所前の山アジサイ

この度、平成31年3月5日から令和元年6月16日まで、
ニューヨークのメトロポリタン美術館で、源氏物語展が開催されています。
石山寺からも、重要文化財の平安時代の旧御前立尊 如意輪観音半跏像、
石山寺縁起絵巻3巻と4巻、
そして、教科書などに掲載されている土佐光起筆「紫式部図」をはじめ、
合計11点の宝物を出陳しています。
展覧会の内覧会には、
石山寺を中心とする僧侶が内覧会で開白法要を執り行いました。

2019年3月7日ブログ「メトロポリタン美術館「源氏物語展」」

メトロポリタン美術館で日本の仏教による法要が行われるのは初めてのことであり、
「古典のきらめき」は、これを記念して開催したものです。

当日は雨の予報にもかかわらず、
涼しい風の吹く爽やかなお天気となりました。

「古典のきらめき」の舞台は、紫式部が参籠したと伝わる石山寺本堂。
その相の間を使って、最初に舞楽「青海波」が奉納されました。

舞楽「青海波」は、源氏物語「紅葉賀」に登場する舞です。
「紅葉賀」では、桐壺帝の行幸にお供できない藤壺の宮のために舞楽の試演が行われ、
光源氏と頭中将が「青海波」を舞い、
光源氏の美しい姿を、藤壺の宮が御簾ごしに複雑な思いで見ている・・・という場面があります。

荘厳な音楽と舞いで会場が一気に平安王朝の空気に包まれ、
息を呑む舞いの美しさを感じました。

「青海波」の次は、山下智子さんによる女房語り 源氏物語「紅葉賀」。
舞楽「青海波」が登場する「紅葉賀」の場面が、京ことばによって語られました。

源氏物語は、もともとは読むというよりは女房によって語られたものでした。
はんなりとしたやさしい京ことばで語られることによって、
一人の女房の視点から見た宮中の出来事のあれこれが、
あたかもここで話しているように聞こえ、
優雅な時間が本堂に流れました。

三つ目の演目は、名古屋経済大学教授、徳川美術館前副館長の四辻秀紀先生による
「源氏絵の魅力」についてのご講演でした。

「女房語り」では耳で聞いた源氏物語ですが、
当時の宮中では、女房によって物語が語られ、聞く人たちはその場面の絵を見ていたそうです。
先ほどは耳で聞いた物語を、今度は目で楽しむ方法を知ることができました。

石山寺も源氏絵を多数所蔵しており、
催しの後は境内の豊浄殿「石山寺と紫式部展」をご観覧いただきました。

あっという間の2時間でしたが、
様々なかたちで源氏物語を楽しんでいただけたなら幸いです。

メトロポリタン美術館での源氏物語展には、日本からも多くの「源氏絵」が出陳され、
今も世界中の人々を魅了しています。
一千年の時を超えて、石山寺でこれを記念する行事ができたことを
心より嬉しく思います。

ご来場の皆さま、ありがとうございました。
本堂でお参りの皆様にも、温かいご配慮をいただきお礼申し上げます。
これを機に、国内外に源氏物語のすばらしさがもっと知られていくことを願います。

 

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春季石山寺と紫式部展
「観音 験(しるし)を見する寺」 (6月30日まで)
今回の展示では「石山寺縁起絵巻」に描かれた観音霊験譚や王朝貴顕の石山詣、
さらに「王朝文化」の象徴としての「源氏物語」の流通を示す屏風、画帖、
工芸作品などをご紹介いたします。
↓詳細はこちらをクリック↓

 

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