観音さまについて その2
観音さまの話を前回させていただきました。
今回も観音さまのお話をしたいと思います。
本堂内陣 観音さまの御手
「観音経」には、観音さまが三十三の姿に姿を変えてわれわれを救ってくださると書いてあります。
そこには具体的な記載があり、
例えば仏の姿、長者の姿、毘沙門天の姿、童男、童女、あるいは龍の姿など、あらゆる姿に化身されます。
西国三十三所などの「三十三」という数字はここから来ているのですが
厳密に三十三という数ではなく、「あらゆる姿になる」ことを示しているのだといわれます。
なぜ姿を変えるのかというと、その人に最もあった姿で法を説くためです。
同じような苦しみのさなかにいる人の姿を借りて、観音さまは救いをもたらされます。
あるいは、「この人の話なら信じてみよう」という人に化身されているかもしれません。
思い返してみると、
あのときのあの人の言葉に救われたという経験は、誰しもあると思います。
もしかしたらその人は観音さまの化身かもしれません。
また、逆に、
知らないうちに、自分が誰かにとっての観音さまになっている可能性も大いにあるのです。
日々お参りをしたり、観音巡礼をしたり、心に観音さまを念じていると、
知らない間に自らの心が観音さまに近づいていきます。
その心がどのようなものか?というと、
「慈悲」の心です。
慈悲についてはまた別の機会に、書かせていただきたいと思います。
*
8月9日は、年に一度の観音さまの特別なご縁日です。
朝10時および夜7時から、本堂で法要があります。
終日入山無料となっておりますので、ご縁を結びにお参りいただけましたら幸いです。