朝の境内で、放水銃
今朝は大切な用事で、いつもより早く境内に出ました。
朝の境内は清々しい空気に満ちています。
今年は紅葉がこの時期まで綺麗に残っていて、
多宝塔が朝日に照らされた姿が美しく耀いていました。
鳥たちも目覚めたばかりでにぎやかにさえずり、
朝日の中では、普段とはまた異なる景色が見せてくれます。
なぜ早起きをしたかというと、防災工事の放水中のテストを見るためです。
現在、石山寺では境内の国宝・重要文化財を中心とした建造物を守るため、
2年かけて防災工事を進めています。
突然の火災に備えての大切な工事です。
歴史を振り返ると、
石山寺の本堂は承暦2年(1078)に一度火災に遭っています。
再建されたのが永長元年(1096)なので、急ピッチで再建が進められたことがわかります。
本堂内陣はこのときから、災害からずっと守られてきた場所です。
桃山時代には淀殿によって相の間、外陣が再建されましたが、
それから変わらず存在するということは奇跡に近いことだと思います。
それだけたくさんの人が強い思いで守ろうとしてくれていたこと。
神仏のご加護があったということ。
これからもこの祈りの場を守っていくために、たくさんの努力をしていかないといけません。
しばらくは境内のどこかで常に工事をしている状況だったのですが、
今年度で工事が終了するので、来年には静謐な境内が戻ってくることと思います。
もうしばらくお待ちいただけましたら幸いです。