第1梅園(薫の苑)
石山寺には3つの梅園があります。
そのうちの1つ、第1梅園は、
「薫の苑(においのその)」という名前がついています。
石山寺の第3代座主は淳祐内供(しゅんにゅうないく)という方です。
菅原道真公のお孫さんにあたり、
師は、石山寺第2代座主であった観賢僧正。
大変優れた学僧として知られ、多くの著作を残しておられます。
延喜21年(921)、淳祐内供は、
師観賢僧正が醍醐天皇の命により、
高野山の弘法大師廟へ参入する際、随伴しました。
その時、大師の膝に触れた淳祐内供の手には芳香が移り、
いつまでも、消えることがなかったといいます。
その手で書写された聖教には香気がしみつき、
淳祐内供筆の聖教は、「薫聖教(においのしょうぎょう)」と
呼ばれるようになります。
第1梅園は、歴代座主が大切にしてこられた古い梅を境内各所から移し、
淳祐内供供養塔の脇に作られました。
梅を愛した菅原道真公を祖父とする淳祐内供にちなんで、
この梅園を「薫の苑」と名付け、
多くの皆さまに、梅を楽しんでいただいております。
なお、「薫の苑」には、様々な品種の梅があります。
近いうちに、ご紹介いたします。