石山多宝くんの「おうちで紫式部展」

2020年5月25日石山多宝くんの「おうちで紫式部展」

おうちで紫式部展 解説「奉祝吉祥令和石山」絵巻篇

今日から営業を開始されているところも多いと思うのじゃが、
石山寺は5月31日まで閉門しておりますのじゃ

さみしいのじゃ・・・

豊浄殿の「石山寺と紫式部展」も閉館しているので、
皆さまにお家で石山寺の宝物を楽しんでもらえるように、
豊浄殿の展示案内をしようと思うのじゃ

名付けて「おうちで紫式部展」!!

こちらの解説は石山多宝くんツイッターで解説したものなのじゃ
よかったらフォローしてほしいのじゃ

2020年春の石山寺と紫式部展は、
奉祝吉祥令和石山」。

令和元年の天皇陛下の御即位を祝した展覧会で、
皇室ゆかりの品々、天皇の直筆によって書かれた美しい「源氏物語」の詞書(宸翰)、
石山寺の本尊、歴史、文化、そしてゆかりの紫式部と『源氏物語』にちなむ
色とりどりの所蔵品をご覧いただけますのじゃ

会場では、テーマごとに展示を行っておるのじゃ
今回ご紹介するのは最初のコーナーじゃ

 

 「石山観音の霊験」

 

展覧会のはじめには、
石山寺縁起絵巻」巻4と巻5の霊験譚を紹介しているのじゃ

「石山寺縁起絵巻」は全7巻あり、重要文化財に指定されているのじゃ
この絵巻には石山寺の由来や創建のこと、観音さまのご利益が描かれておるのじゃ

 そもそも絵巻とは

いくつかの場面の絵に文章を添えた巻物のことで、
文章の部分「詞書(ことばがき)」と、その挿絵にあたる絵が交互になって進んでいくのじゃ

右から左に向かって物語が進んでいくのじゃな

「石山寺縁起絵巻」の制作年や作者は研究が進められておるのじゃが、
寺伝を見ても複雑な構成になっておるのじゃ・・・
制作の順番は、巻1~3→5→4、300年以上経って巻6、7が作られて完成したのじゃ

座主の杲守(こうしゅ)さん(1335~?)が、
現存絵巻7巻分の詞書にあたる文章を写した「石山寺絵詞」が今に伝わっておるのじゃ

このことからも1巻の制作当初から、全部で7巻分の予定だったことがわかるのじゃ

 ふむふむ・・・

寺伝のうち、日付がはっきりしておる記録を紹介するのじゃ

寛政四年(1792)12月13日のことじゃ
江戸幕府の御用絵師・住吉廣行(1754-1811)が絵巻を見て、作者を書いていったそうじゃ

・巻1~3の詞書は石山寺座主僧正杲守、絵は高階隆兼(制作年は正中年間(1324-25))

・巻5の詞書は冷泉為重(1324-85)、絵は粟田口隆光

・巻4(明応6年(1497))の詞書は三条西実隆(1455-1537)、絵は土佐光信

住吉廣行が見た時点では、やはり巻6,7はなかったのじゃ

巻6,7の詞書は飛鳥井雅章(1611-79)が明暦元年(1655)に、
絵は谷文晁(1763-1841)が文化2年(1805)に描いて現在の全7巻の形になったのじゃ

 

 絵巻に書かれているお寺の記録や伝説 ①本堂火災

展示している場面についてご紹介するぞ

「石山寺縁起絵巻」巻第4 第5段のお話じゃ

何やら画面左上が燃えておるな・・・

この場面は、承暦二年(1078)に本堂が火事で焼けた時のことじゃ
煙の中からご本尊さまが飛び出して、池の中島にある柳の上に降りられたというのじゃ

火事から飛び出してきた観音さまじゃ

巻4には経巻や仏像を持って火災から逃げる人々と、
柳の上に現れた観音さま、
観音像を袖で受け止めようとするお坊さんの姿が描かれているのじゃ

観音さまの後ろに懸造の本堂が、
その手前には丸っこい岩があるのじゃが、

そこは「天智天皇の石切場跡」といって、今もお寺に来ると見られる景色なのじゃ

絵巻と同じ風景が見られるとは有り難いことじゃな・・・

 絵巻に書かれているお寺の記録や伝説 ②夢に現れた観音さま

「石山寺縁起絵巻」巻5巻 第7段のお話じゃ

天治年間(1124~1126)、貧しく子宝に恵まれず、
離縁されてしまった藤原国能の奥さんが、悲しんで石山寺に七日間参籠(さんろう)された時のことじゃ

参籠というのは、
お寺や神社にお参りして、一定の期間御堂に籠もって
神仏に祈願することじゃ

石山寺は特に平安時代、女流文学者たちに人気だったのじゃが、
紫式部も石山寺に参籠中に「源氏物語」を思いついたとされているのじゃ

絵巻では、藤原国能の奥さんの夢に観音さまが現れて、
如意宝珠(にょいほうしゅ)という宝の珠を授けたとされているのじゃ!
絵には現実の本堂の様子と、夢に現れた観音さまが同じ場面に描かれておるのじゃ

 まだ起きている人もいる 不思議な絵じゃ・・・

彼女が目覚めると、掌のなかに珠があり、
家に帰って宝珠を拝むと夫が戻り、家は富み栄えて男の子も生まれたそうじゃ

めでたしめでたしなのじゃ

石山寺の観音さまは昔からたくさんの人を救ってきたのじゃな

 

今日はここまでにしておこうかの

次回に続くのじゃ!

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