石山寺とお釈迦さま
石山寺の多宝塔は、
建久5年(1194)年、源頼朝公の寄進によって
建立されました。
御本尊は、大日如来さまで、
鎌倉時代の著名な仏師、快慶の作です。
石山寺には、この快慶の大日如来さまの他にも、
旧多宝塔の御本尊といわれる大日如来さまも伝わっています。
ということは、
鎌倉時代以前にも、
多宝塔があったということなのでしょうか。
石山寺にとって多宝塔はとても重要です。
仏教における塔は、
お釈迦さまの遺骨(舎利)を納めて祀るために造られました。
仏教徒にとって、塔はお釈迦さまそのものであったのです。
しかし、従来の仏教では、教えの主(教主)はお釈迦様でしたが、
真言密教では、金剛界の大日如来さまが教主となられました。
そのため、真言宗である石山寺では、
塔に大日如来さまをお祀りしています。
そういえば、お正月にお供えするお鏡餅も塔の形でしたね。
お釈迦さまが入滅された日(2月15日)に行われる常楽会も、
延暦年間に租税をもって行われた石山寺の常楽会が、
最も古い記録となるそうです。
ちなみに、8日はお釈迦様のご縁日です。
石山寺には、ご本尊さまの胎内にいらっしゃったお釈迦さまと、
経蔵を守ってこられた奈良時代のお釈迦さまがいらっしゃいます。