仏道と殺生
毎月8日には自行のために護摩を焚いています。
(他の行事との兼ね合いで焚けない月は8日前後に)
今月も護摩を焚きました。
護摩を焚くには様々な供物が必要です。
野菜や洗米や五穀、また護摩を焚くための木、
そして樒(しきみ)の葉は、密教の修法を行うときには必ず用意することになります。
樒の葉は夏場なら虫食いが多く、
秋口には葉の裏に虫が卵を産むこともあります。
護摩を焚く時は、樒を炉に入れて燃やします。
樒はいつも本堂の方が採ってきてくださるのですが、その時には虫の卵を燃やさないように、卵のついた葉を選ばないようにお願いしています。
手間のかかる作業だそうで、毎月お堂の皆さんが使えるものを選んでくれています。
手間がかかっても、それは大事な作業です。
卵であっても、それが仏さまへのお供えであっても、殺生をすることは仏教が禁じるところです。
仏教は「不殺生」を説きます。
人間は生きているだけで他の存在を殺してしまうものです。
日々食べる食料や、その連鎖の中にいる動物を
我々は間接的に殺しています。
精進料理であってもそれは変わりません。
だから不必要に殺さないこと。
(注 漁業や畜産に関わっておられる方に関しては、不必要とは違います。それによって私たちの命を繋いでくれているからです。)
仏教では、生きとし生けるものは命のレベルにおいて皆平等です。
そのことを忘れずに日々の生活を送りたいと強く思っています。