座主のお話

2023年12月11日座主のお話

仏道と殺生

毎月8日には自行のために護摩を焚いています。

(他の行事との兼ね合いで焚けない月は8日前後に)

今月も護摩を焚きました。

護摩を焚くには様々な供物が必要です。

野菜や洗米や五穀、また護摩を焚くための木、

そして樒(しきみ)の葉は、密教の修法を行うときには必ず用意することになります。

樒の葉は夏場なら虫食いが多く、

秋口には葉の裏に虫が卵を産むこともあります。

護摩を焚く時は、樒を炉に入れて燃やします。

樒はいつも本堂の方が採ってきてくださるのですが、その時には虫の卵を燃やさないように、卵のついた葉を選ばないようにお願いしています。

手間のかかる作業だそうで、毎月お堂の皆さんが使えるものを選んでくれています。

手間がかかっても、それは大事な作業です。

卵であっても、それが仏さまへのお供えであっても、殺生をすることは仏教が禁じるところです。

仏教は「不殺生」を説きます。

人間は生きているだけで他の存在を殺してしまうものです。

日々食べる食料や、その連鎖の中にいる動物を

我々は間接的に殺しています。

精進料理であってもそれは変わりません。

だから不必要に殺さないこと。

(注 漁業や畜産に関わっておられる方に関しては、不必要とは違います。それによって私たちの命を繋いでくれているからです。)

仏教では、生きとし生けるものは命のレベルにおいて皆平等です。

そのことを忘れずに日々の生活を送りたいと強く思っています。

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