座主のお話

2024年10月22日座主のお話

鯉の大往生

石山寺にはいくつか池があります。

「くぐり岩」があるところの池には巨大な鯉がいて、
本当にびっくりするぐらい大きいのでご参拝の方もよく写真を撮っておられます。

そのなかで一番大きな鯉が、昨日、大往生を遂げました。

在りし日の白い鯉

この白い鯉は80㎝ほどの大きさで、一番長くいてくださる職員さんが来られた頃には
もうこれくらいの大きさだったそうです。

50年ほど生きたことになるかもしれません。

私にとっても生き物としての大先輩にあたります。

数日前から元気がなく、手水の下に隠れていたのですが、
神々しいような雰囲気を放つようになりました。

昨日弱っていたので、たらいに上げて塩浴をさせ、少しは回復してくれたのですが
亡くなってしまいました。

生き物はいつか死んでしまいます。
私たちもいずれ死にます。
その生のなかでも、石山寺の大きな鯉としてたくさんの人を出迎えてくれました。
それは参拝者の方々にとっての、石山寺の思い出として記憶のどこかに残り、
この子の功徳となっているかもしれません。

鯉は修行して龍になるといわれます。
これだけ大きくて長生きならば、きっとそうであろうと思います。
次の生も素晴らしいものでありますように。

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