終わっていくこと
早いもので一年も終わりです。
今日は最後の弘法大師さまのご縁日、終い弘法でした。
そして、今日で最後の講演を終えることができました。
この一年は色々な場所でお話をさせていただき、回を重ねるごとに自分自身が勉強させていただきました。
どこかでお話を聞いてくださった方にはお礼申し上げます。
一年が終わると、また新たな年が始まります。
「終わっていくこと」は、悲しかったり、寂しかったりすることもあります。
いつまでも続いてほしい楽しいことも、いつかは終わってしまいます。
すべてのものは移り変わります。
それは「無常」といわれます。
祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす
と『平家物語』でも謳われるように
栄えた者もいつかは衰えていきます。
花がいつか枯れ、生命が終わっていくように。
ただ、それは悲しいことばかりではありません。
いつまでも続くと感じられるような苦しみも、いつかは終わりを迎えます。
状況が変わらなくても、あるいは心のほうが変わるということもあります。
終わっていくことは、ひとつの希望でもあるのだと思います。
そして、終わりを迎えたらまた別の何かが始まります。
その大いなる循環の中にいるのが、私たちなのだと思います。
冬は空が綺麗です。
澄み渡る空のような心で生きられますように。