座主のお話

2024年12月21日座主のお話

終わっていくこと

早いもので一年も終わりです。

今日は最後の弘法大師さまのご縁日、終い弘法でした。

そして、今日で最後の講演を終えることができました。

この一年は色々な場所でお話をさせていただき、回を重ねるごとに自分自身が勉強させていただきました。

どこかでお話を聞いてくださった方にはお礼申し上げます。

 

一年が終わると、また新たな年が始まります。

「終わっていくこと」は、悲しかったり、寂しかったりすることもあります。

いつまでも続いてほしい楽しいことも、いつかは終わってしまいます。

すべてのものは移り変わります。

それは「無常」といわれます。

祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり

沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす

と『平家物語』でも謳われるように

栄えた者もいつかは衰えていきます。

花がいつか枯れ、生命が終わっていくように。

 

ただ、それは悲しいことばかりではありません。

いつまでも続くと感じられるような苦しみも、いつかは終わりを迎えます。

状況が変わらなくても、あるいは心のほうが変わるということもあります。

終わっていくことは、ひとつの希望でもあるのだと思います。

そして、終わりを迎えたらまた別の何かが始まります。

その大いなる循環の中にいるのが、私たちなのだと思います。

 

冬は空が綺麗です。

澄み渡る空のような心で生きられますように。

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