千日会を終えて
8月9日に、今年も千日会を無事に終えることができました。
この日は古くから、観音さまとのご縁を深め、亡き方々を偲ぶ大切な日とされてきました。
今年は土曜日というだけでなく、「いぬの日」とも重なり、
お参りの方もたくさんお越しいただきました。
朝はご祈願の法要、夜はご廻向の法要と
年に一度のご縁日に、心静かにお参りするひとときとなりました。
お申し込みいただいたお塔婆は、これからお盆にかけて拝み、
16日の送り火でお焚き上げいたします。
精霊船
昔はお塔婆を精霊船に乗せて、瀬田川に流していたと伝わりますが
いまは船に乗せてお焚き上げするかたちになりました。
形はかわっても、亡き人を思い、祈る心は変わりません。
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毎年、千日会には、江戸時代から続く「貼仏供(はりぶっく)」というお供えをいただきます。
貼仏供
金紙を貼った製の円錐台に、季節の模様や吉祥文様をあしらったお干菓子を貼り付けたものです。
夏らしく、水、青紅葉、撫子、夏菊などの意匠が見られました。
こちらは年に二回お供えされるもので、もう一回は新春です。
江戸時代から続くお供えで、現在は門前の叶匠壽庵さんが作ってくださっています。
スイカのお供え
さらに今年は、石山観光協会のご厚意で、
昔の風習にならい棚いっぱいのスイカをお供えすることができました。
かつて千日会には必ず並んでいたというスイカが、久しぶりに御堂を彩りました。
行事は形を変えながらも、仏さまと人とのご縁をつないでくれています。
お盆を迎えるこの時期、ご先祖さまや亡き方に心を寄せ、
日々の暮らしのなかで手を合わせる時間を大切にしていただければ幸いです。